先日、日経新聞の日曜版 The STYLEに掲載されていた記事で非常に興味深い内容がありましたので、
ここでシェアしたいと思います。
ワインに限らず、酒類を製造するってそれなりの設備が必要です。
もちろん設備だけではなく、原材料も必要です。
ワインの原材料はブドウですし、それも農産物の一つでもありますから
毎年同じようにブドウが収穫できるか?というと、そうでもありません。
ブドウの出来がいい時もあればそうでない時もある・・・。
しかも1年に一度だけしか作れないというから、世の中の気候に依存している産業とも言えます。
カスタムクラッシュとは?
そんなワイン一本を世に生み出すのに大変なワイン醸造ですが、
昨今では興味深い取り組みが注目されています。
それが、カスタムクラッシュ というものです。
醸造用設備を既存ワイナリーから貸してもらい、自ら持ち込んだブドウでワインを製造することを指します。
なので、ブドウ生産者でワイン醸造用の設備を持たないのでワインが作れない!
という立場の方などはある意味利用しやすいシステムになります。
もちろん、 このシステムを活用するにあたり、双方にメリットがあるわけです。
カスタムクラッシュが利用されるメリットとは?
これはワインの作り手、そしてそれを依頼する側それぞれにメリットがあるのでカスタムクラッシュというシステムが今注目されています。
双方のメリットについてここではお伝えします。
カスタムクラッシュ ワインメーカーにとってのメリット
ワインメーカーにとってはワインを作るために「設備を備える」ことは必須事項です。
そのために設備投資は必須で、しかもそれを維持するために相応のコストが必要となります。
ただしワインが作られるのは「一年に一度」しか機会がないんですね。
この「設備」という資産を活かす方法として着目したのが【カスタムクラッシュ】になります。
つまりワインメーカーにカスタムクラッシュを取り入れるメリットとは、
自社だけで醸造するために相応のコストをかけて設備投資をしただけでなく、
この資源(ワイン醸造設備)を自身のワイン生産を希望している方に提供することによって、
- 自社の資産である設備を生かすことができる
- 醸造技術を提供できる
- その結果、上記からの収入を見込める
というものです。
自社資源の有効化を最大限を活用することができるのが、カスタムクラッシュと言えます。
カスタムクラッシュ 依頼者のメリット
カスタムクラッシュを依頼する方といえば、
- 自前でブドウを用意できる方
- ワインの製造設備を持っていない方
がここではカスタムクラッシュの依頼者に当たります。
いわゆる小規模のブドウ生産者などもここに該当します。
ブドウを持ち込んで「ワインを作ってもらう」ことにより製品化して販売できる
ということです。
つまり、
ワイン製造設備を持たなくても自分のワインが作れる
ということになります。
これは製造するという常識から考えても、ある意味「あり得ない」形ですね。
まとめ カスタムクラッシュは双方ハッピーなシステム
ワイナリー側は
- ワインの醸造用設備を自社以外で活用できること
- ワイン醸造技術を活かせること
- 上記の資源を収入化できる
依頼者側は
- 自前で設備を用意しなくてもワインが完成する
- ワイン醸造技術も含めてワイナリーのソフトの資産を利用できる
ということで、お互いの持っている技術や思いを合致させて一本のワインを仕上げるのがカスタムクラッシュ
ということになります。