ドイツワインと言ったら、どう言う言うイメージを持つでしょうか?
- 甘口の初心者が飲むようなワインが多い
- 白ワインが主流
と一般には思われがちですね。
間違っていませんが、そういったイメージのものばかりではありません。
今回ご紹介する作り手さんは、
- 伝統を重んじつつ
- 現代の技術も取り入れる
これを上手に組み合わせた作り手さんであり、
現在では非常に注目の作り手さんです。
伝統×革新=(今回紹介の生産者)フォンウィニング
と言ってもいいワイナリーです。
フォン ウィニングの歴史
紆余曲折を経て、現在のワイナリーが確立された経緯があります。
フォン ウィニングの主な歴史 | |
1848年 | ワイナリー設立(ここでは相続により複数のワイナリーに分割) |
1907年 | フォン ウィニング夫妻にワイナリーを承継 |
1918年 | ワイナリーを売却。「Dr.ダインハード醸造所」に改名 |
2007年 | 起業家のアヒム・ニーダーベルガー氏が分割されたワイナリーを、 5年の歳月をかけて買い取りまとめる。 同時に、最高責任者にステファン・アトマン氏を迎え入れる。 |
ざっくりとしたワイナリーの歴史になります。
そして、ワイナリーの名称にもなっている「フォンウィニング夫妻」は、
現在のドイツワインの指標を作った人とも言える仕事もしているんですね。
VDP創始メンバーこそが、このワイナリー
ドイツワインのボトルのうち、ボトルネックを見ていると
こう言った絵が描かれているワインを目にする機会があるかと思います。
ワシのマークがボトルネックに記されているんですね。
これは、VDP(ファーデーペー)と呼ばれるものです。
いわゆるドイツワインにおいての生産者組合という位置付けです。
もうちょっと突っ込んで言いますとこのVDPは
ドイツワインにおける「格付け」と言ってもいいものです。
このVDPを作ったのが、実は今回ご紹介する生産者さんなんですね。
VDPとは?
- 1910年発足のドイツナチュラルワインの生産者協会が発祥
- 生産者で作る協会
- 登録の生産者は一定基準をクリアしたものだけが、この表示(格付け)を使用できる
一定基準というのは、非常に細かな取り決めがなされています。
VDPで検索をされると、詳細の取り決め事項が書かれていますので
気になる方はそちらをご覧ください。
VDPの取り決めで重要なこと
そのVDPは、加盟されている生産者だけが細かな取り決めをクリアされると
VDPとして名乗ることができます。
VDPは生産者ベースで認められるのではなく、
ブドウ畑ごとでの制定
ということになります。
この点が、一般に言われている【格付け】との違いになります。
→一般の格付けは「ワイナリー」に対して認定されるものです。
このような取り決めをまず制定したのが、
今回ご紹介する生産者ということになります。
ドイツの生産者による適正な基準を「ブドウ畑単位」できちんと制定した
という意味なんですね。
もちろん一般にわかる格付けを作っただけでなく、
それだけにとどまる事はありません。
醸造家を志した異色の経歴
出典元:vinoforet
写真右:最高醸造責任者ステファン・アトマン氏
彼の経歴が非常にユニークです。
- 大学では、化学と生物学を専攻
- その後ビジネス、政治、教育学を学び
- 大学時代のアルバイトで、ワインショップに勤務しワインの虜になる
- 大学卒業後はバーデン地方のドクター・ヘーガーで見習いとしてブドウ栽培と醸造
- 2005年にはフランス・ブルゴーニュに移りドメーヌ・ダヴィド・デュバンの下で経験
- ザール地方のドクター・ジーメンスの責任者
このような経歴を辿ってきた、醸造責任者のステファン氏です。
そしてステファン氏の右腕となってワイナリーを支えるのが、
アンドレアス氏です。
写真左:醸造責任者アンドレアス・ヒューツヴォール氏
- ドイツ国内で醸造家として3年間の実習
- ドイツのガイゼンハイム大学で栽培学と醸造学のディプロマを取得。
- 在学中はイタリアのフリウリ・ヴェネツィア・ジュリアにも留学
- 卒業後はオーストラリアのクレア・ヴァレー、イタリアのサルディーニャ、ドイツで醸造家としての修業
醸造家2人がワイナリーに参画した理由
2007年 ヴァイングート・フォン・ウィニングの新たなオーナー、ニーダーベルガー氏との出会いが起点となります。
元々が名声を誇ったこのワイナリーであったために、
「伝統をもう一度蘇らせよう!」
という想いに駆り立てられた ということです。
その思いに応えるべく
- ブドウの栽培
- 収穫
- 醸造
とワイン醸造において全ての工程を見直し、現在に至ります。
その結果、今ではドイツの中でも注目を集める生産者となっています。
伝統と革新を融合させたワイナリー・醸造家の一本
そんな古きの良きを生かし、今の時代にアジャストしたワイン作りをしている
フォンウィニング。
日本人の味覚にも非常にマッチした作りを世に出しています。
伝統×革新を持ち合わせたワイン。
リースリング=甘口のブドウと思われがちですが、
こういった辛口タイプも、ドイツをはじめ世界では作られています。
フォンウィニングが醸す各種ワインで、その素晴らしさが体感できます。
どうぞお試しください。